おでんは、寒い季節にぴったりの温かい料理です。
出汁の旨味が具材にじっくりと染み込み、ほっとする味わいが楽しめます。
しかし、じっくり煮込むことで美味しくなる料理なので、時間がかかるのが難点です。
そこで活躍するのが「圧力鍋」です。
圧力鍋を使えば、通常の鍋よりも短時間で具材を柔らかくでき、味もしっかりと染み込ませることができます。
忙しい方でも手軽に美味しいおでんを作ることができるのは、大きな魅力です。
しかし、圧力鍋でおでんを作る際には 気をつけるべきポイント があります。
すべての具材が圧力鍋向きというわけではなく、 調理方法を間違えると、具材の食感が変わったり、煮崩れたりすることがある のです。
この記事では、圧力鍋でおでんを作る際、 避けたほうがよい具材 とその理由を詳しく解説します。
また、 圧力鍋に向いている具材 や、 おでんを美味しく仕上げるコツ についてもご紹介します。
「圧力鍋で手軽におでんを作りたい！」「時短しながら美味しく仕上げたい！」という方は、ぜひ最後まで読んで参考にしてみてくださいね。
圧力鍋でおでんを作る際に避けるべき具材
圧力鍋を使っておでんを作る際、 すべての具材が適しているわけではありません。
特に、 練り物・じゃがいも・餅巾着・厚揚げ・焼き豆腐 などの具材は、圧力調理によって食感が変わりすぎたり、煮崩れたりする可能性があります。
それぞれの理由を詳しく見ていきましょう。
| 避けたほうがよい具材 | 圧力鍋での調理が向かない理由 |
|---|---|
| 練り物（ちくわ・はんぺん・さつま揚げなど） | 水分を吸って膨張し、蒸気の通り道を塞ぐ可能性がある |
| じゃがいも | 柔らかくなりすぎて煮崩れしやすく、出汁が濁る原因になる |
| 餅巾着 | 加圧中に餅が溶けてしまい、巾着が破れて中身が出ることがある |
| 厚揚げ・焼き豆腐 | 高温調理で「す」が入り、食感がボソボソになりやすい |
それでは、各具材の特徴や注意点を詳しく解説します。
1. 練り物は膨張しやすく、食感が変わる
練り物（ちくわ・はんぺん・さつま揚げなど）は、圧力鍋で加熱すると 水分を吸って大きく膨らみやすい という特徴があります。
この膨張によって、 鍋の中でスペースを取りすぎてしまい、蒸気の通り道を塞いでしまう 可能性があります。
その結果、 圧力が正しくかからず、安全装置が作動したり、最悪の場合は事故につながる危険性 もあります。
また、練り物は 長時間煮込むと旨味が抜けやすく、食感も変わってしまう のが難点です。
弾力のあるプリプリとした食感が失われ、ボソボソとした口当たりになってしまうこともあります。
圧力鍋を使用する場合、練り物は 別の鍋で軽く煮込む ことで、本来の美味しさを損なわずに楽しむことができますよ。
2. じゃがいもは煮崩れやすく、出汁が濁る
じゃがいもは、おでんの人気具材のひとつですが、圧力鍋で調理すると 想像以上に柔らかくなりすぎてしまう ことがあります。
加熱が強すぎると、 ホロホロと崩れてしまい、鍋の中で形を保つのが難しくなる のです。
さらに、煮崩れたじゃがいもが出汁に溶け込んでしまうと、 せっかくの澄んだおでんの出汁が濁ってしまう こともあります。
じゃがいもをおでんに加えたい場合は、 電子レンジで軽く加熱してから普通の鍋で煮る 方法がおすすめです。
この方法なら、程よいホクホク感を保ちつつ、しっかり味を染み込ませることができます。
また、 メークインなどの煮崩れしにくい品種を選ぶ のもポイントです。
男爵いもは特に煮崩れやすいため、おでんには不向きかもしれませんね。
3. 餅巾着は破れやすく、餅が鍋の中で溶け出す
おでんの定番人気具材である「餅巾着」も、圧力鍋で調理する際には注意が必要です。
圧力をかけることで、 中の餅が溶け出しやすくなり、巾着が破れてしまう ことがあります。
そうなると、鍋の中で餅が散らばり、 他の具材にくっついたり、鍋底に焦げ付きやすくなったりする 可能性もあります。
餅巾着を入れる場合は、 圧力調理が終わった後に加える か、 別の鍋でじっくり煮る のが良いでしょう。
このひと手間を加えることで、美味しく仕上がりますよ。
4. 厚揚げや焼き豆腐は食感が変わりやすい
厚揚げや焼き豆腐も、おでんの人気具材のひとつです。
しかし、これらの具材を圧力鍋で調理すると、 「す」が入る という現象が起こりやすくなります。
「す」とは、豆腐の内部にできる小さな穴のことです。
高温で急激に加熱すると、豆腐内部の水分が蒸発し、 スカスカでボソボソとした食感 になってしまいます。
さらに、厚揚げや焼き豆腐は 油抜きをしていないと、出汁が濁る原因 にもなります。
そのため、厚揚げや焼き豆腐は 圧力調理の後に加え、普通の鍋でじっくり煮る ほうが美味しく仕上がります。
また、調理前に 熱湯をかけて油抜き しておくと、より洗練された味わいを楽しめますよ。
圧力鍋でおでんを作る際におすすめの具材
圧力鍋は、短時間で食材を柔らかくし、味を染み込ませることができる便利な調理器具です。
そのため、 時間をかけて煮込むと美味しくなる具材 とは相性抜群です。
ここでは、圧力鍋でおでんを作る際に特におすすめの具材をご紹介します。
| 圧力鍋に向いている具材 | 圧力調理のメリット |
|---|---|
| 大根 | 短時間で芯まで柔らかくなり、味がしっかり染み込む |
| こんにゃく・しらたき | 硬さが変わらず、しっかりと出汁を吸収できる |
| 牛すじ | 長時間煮込む必要があるが、圧力鍋なら短時間でトロトロに |
| ゆで卵 | 圧力調理により、味がしっかり染み込んだ煮卵になる |
| 昆布 | 圧力をかけることで旨味が引き出され、出汁がより美味しくなる |
1. 大根
おでんに欠かせない大根は、圧力鍋との相性が抜群です。
普通の鍋で煮る場合、大根に味がしっかり染みるまで 1時間以上 かかることもありますが、圧力鍋なら 約10分～15分 で十分です。
美味しく仕上げるコツは、 皮を厚めにむき、面取りをしておくこと です。
また、 十字の切り込みを入れる と、より味が染みやすくなります。
一度 米のとぎ汁で下茹で しておくと、えぐみが取れて、さらに美味しくなりますよ。
2. こんにゃく・しらたき
こんにゃくやしらたきは、普通の鍋で煮てもそれほど変化がないように感じるかもしれません。
しかし、圧力鍋で調理すると、 短時間でしっかりと味を吸収 できるので、おでんの旨味がより感じられます。
こんにゃくは、調理前に 表面に格子状の切れ込みを入れる と、味が染み込みやすくなります。
また、 下茹でをしてアク抜き をしておくことで、独特のクセを取り除くことができます。
3. 牛すじ
牛すじは、おでんに入れると旨味が増す食材ですが、調理に時間がかかるのが難点です。
普通の鍋で煮る場合、 2～3時間 ほど煮込む必要がありますが、圧力鍋なら 約20～30分 で柔らかくなります。
美味しく仕上げるポイントは、 最初に一度下茹でをすること です。
下茹ですることで 余分な脂やアクが取り除かれ、より旨味が凝縮 された牛すじになります。
また、下茹でした後に 氷水で締める と、余計な脂がさらに落ちて、口当たりが良くなります。
4. ゆで卵
ゆで卵は、電子レンジで加熱すると爆発のリスクがありますが、圧力鍋なら安全に調理することができます。
圧力調理すると、 味がしっかりと染み込み、煮卵のような美味しい仕上がり になります。
圧力鍋で作る場合、 殻をむいてから入れる のがポイントです。
そのまま調理すると、殻が割れてしまうことがあります。
圧力鍋でおでんを美味しく作るコツ
圧力鍋でおでんを作る際、ちょっとした工夫をすることで、さらに美味しく仕上げることができます。
ここでは、 おでんを美味しくするためのポイント をご紹介します。
- 大根は十字の切り込みを入れる → 味が染みやすくなる
- こんにゃくは下茹でしてアク抜き → えぐみがなくなり、出汁が澄んだままになる
- 牛すじは一度下茹でしてから煮込む → 余計な脂やアクを取り除き、旨味を引き出せる
- 圧力調理後に一度冷ます → 冷める過程で味がより染み込む
圧力鍋でおでんを作る際の注意点
圧力鍋はとても便利ですが、 使い方を誤ると料理が失敗することもあります。
安全に美味しく仕上げるために、以下の点に注意しましょう。
- 鍋の容量を超えない → 具材を入れすぎると、正しく圧力がかからない
- 水分量を適切に調整する → 水が多すぎると味が薄まり、少なすぎると焦げる
- 調理後はすぐにフタを開けない → 圧力が下がるのを待つこと
まとめ
圧力鍋を使うことで、おでんの煮込み時間を短縮しながら、しっかりと味を染み込ませることができます。
ただし、 練り物・じゃがいも・餅巾着・厚揚げ・焼き豆腐 などは、圧力鍋での調理に向かないため注意が必要です。
一方、大根や牛すじなどの 時間をかけて煮込むと美味しくなる具材 は、圧力鍋で調理すると絶品に仕上がります。
ちょっとした工夫をすることで、さらに美味しいおでんが作れますよ。
ぜひ、圧力鍋を活用して、美味しいおでん作りに挑戦してみてくださいね！
